7. 任意後見契約公正証書 -遺言を書きましょう遺言の弁護士

7. 任意後見契約公正証書遺言を書きましょう

成年後見制度とは

認知症、知的障害、精神障害などの理由で、判断能力の不十分な者は、契約などの法律行為や財産管理を自分でおこなうことが難しい場合があります。判断能力の不十分な者を保護し、支援するのが成年後見制度です。後見制度には法定後見制度と任意後見制度があります。

法定後見制度は、後見、保佐、補助の3つに分かれ、本人の判断能力の程度など事情に応じて制度が選べます。家庭裁判所より選ばれた成年後見人、保佐人、補助人が、本人を代理して契約などの法律行為をしたり、本人の行為に同意を与えたり、不利益な法律行為を取り消したりすることによって、本人を保護・支援します。

任意後見制度は、本人が十分な判断能力があるうちに、判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、あらかじめ自らが選んだ代理人(受任者)に、自分の療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与える契約を公正証書で結んでおくというものです。本人の判断能力が低下した後に、家庭裁判所が任意後見監督人を選任して、初めて受任者は任意後見人となります。任意後見人は任意監督人の監督のもと本人を代理して契約などを行いますので、本人の意思にしたがった適切な保護・支援が可能になります。

任意後見契約を締結するにあたっての注意

必ず公正証書で作成

この契約は、「任意後見契約は、法務省令で定める様式の公正証書によってしなければならない」(任意後見契約に関する法律3条)で決められています。よって公正証書により作成されていない任意後見契約は無効となります。

任意後見人となる受任者の選任

任意後見人となる受任者は契約の時から任意後見人となるのではなく、後見が必要な状況になり後見監督人(任意後見人をチェックする人)が家庭裁判所で選任されたときに初めて任意後見人となります。なお、家庭裁判所が受任者を不適切と判断すれば、受任者は後見人になることができず、せっかく作成した任意後見契約も効力を生じないことも考えられます。よって任意後見人となる受任者には信頼のおける者を慎重に選びましょう。

なお、任意後見人となる受任者の資格には法律上の制限はありません。社会福祉法人や信託会社などの法人でも構いませんし、複数の選任も可能です。弁護士などの法律専門家が選任する場合が多く、また親族や知人であってもなることができます。

後見事務の範囲を特定

任意後見人が任意代理権を行う後見事務の範囲は、事前に特定しておく必要があります。あなたの生活、財産の管理に関することを、他者(受任者)にさせる契約を結ぶわけですから、その範囲は慎重に特定しなくてはいけません。

後見事務の範囲は代理権目録により記載され、任意後見契約に関する法律第三条の規定による証書の様式に関する省令」に基づく様式に従って作ることになります。様式には同省令附録第1号様式(チェック方式)と第2様式(包括記載方式)があり、いずれを利用するかは自由に定めることができます。

任意後見契約公正証書の代理権目録 文例はこちら
任意後見人の報酬を決める

任意後見人に報酬を支払うかどうかは委任者と受任者との話し合いで決定します。一般的には任意後見人を第三者に依頼した場合には報酬を支払い、家族などの身内にした場合は無報酬の場合が多いといわれます。

なお任意後見監督人には、家庭裁判所が事案に応じて報酬額を決定し、必ず報酬が支払われます。決定された報酬は、任意後見人が管理する本人の財産から支出されます。

任意後見契約の登記

契約後の手続きとして登記手続が必要となります。公証人の嘱託により任意後見契約の内容が登記されます。登記される事項の主なものは。1. 公証人の氏名、所属、証書番号、作成年月日、2. 本人の氏名、生年月日、住所、本籍、3. 後見受任者の氏名、住所及び代理権の範囲、などです。登記によって代理権を証する書面として「登記事項証明書」の交付が受けられますので、任意後見人は本人のためにその事務処理を円滑に行うことができます。

任意後見契約公正証書の手続きの流れ

  1. 任意後見人となる受任者、および後見事務の範囲を決めます。
  2. 任意後見人の報酬の有無及び額を決めます。
  3. 任意後見契約公正証書例を参考に原案を作成します。
    任意後見契約公正証書の文例はこちら※例は基本型であり、その他に将来型、即効型、移行型といわれる文例があります。適切な任意後見契約を結ぶため、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。
  4. 最寄りの公証役場へ電話し、任意後見契約公正証書を作成したい旨を伝えます。
    必要書類および費用の確認、日時の調整をします。
  5. 当日公証役場に委任者と受任者双方が出席し、公証人のもとで公正証書を作成します。
    なお代理人による任意後見契約はできません。
    公証役場に赴くことができない贈与者のため、自宅や病院などに赴き公正証書を作成することも可能です。ただし、執務加算・公証人の日当・現地までの交通費がかかります。
  6. 公証人の嘱託により任意後見契約の内容が登記されます。
必要書類
委任者本人・印鑑証明書
・実印
・戸籍謄本
・住民票
任意後見受任者・印鑑証明書
・実印
・住民票
・その他公証人が指示する書類
・費用(基本手数料11,000円、登記嘱託手数料1,400円、登記印紙代4,000円、郵券代・用紙代など)

※必要な書類・費用については必ず公証役場で確認をしましょう

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