相続人の立場から 遺言を見つけた場合遺言の弁護士

4 この遺言は無効なのではないか?相続人の立場から 遺言を見つけた場合

被相続人の死後にいきなり、ある相続人に全財産を相続させる旨の遺言が発見されたケースもあります。遺言の内容があまりにも一方的で、ある相続人にだけに有利に書かれていた場合や痴ほう症を患っていた被相続人が遺言を残していた場合、本当に本人が書いたものであるのか疑いたくもなります。

遺言の無効を主張する場合は、遺言無効の訴えを起こすことができます。遺言の無効が認められない場合には、寄与分の主張や生前贈与を特別受益として主張し、遺留分で争う方法があります。また遺言作成に不正があれば、不正に関与した相続人の相続欠格を主張することもできます。

考えられる遺言の無効原因

遺言の要式が不備な場合

遺言は要式の法律行為のため、要式を欠く遺言書による遺言は無効となります。例えば、自筆証書遺言の場合、遺言の全文、日付、署名が自書していなければなりません。つまり、本人の自筆でない自筆証書遺言は無効となります。自筆であるかどうかを争うには、本人の手帳や日記など、比較材料を用意しておくべきです。鑑定は専門家に依頼します。

遺言者の遺言能力がない場合

遺言者に遺言能力がない場合、つまり自分の行為の結果を判断できる精神能力がない場合は、その遺言は無効となります。遺言者の自由な意思に基づくものと言えないからです。

遺言能力を争うケースとして、遺言者が痴ほう症のため無効だと主張する場合がありますが、痴ほう症といっても当然に遺言能力がない者としてみなされるわけではありません。遺言時に遺言の内容が理解できる状態であれば、その遺言は有効なものとみなされます。その判断は難しく、様々な要素を考慮した上で事例ごとに判断されます。公正証書遺言であっても、裁判所が無効であると判断した事例(東京高等裁判所平成12年3月16日判決:遺言をした老人が遺言の当時重度の痴ほう症状により意思能力がなかったとして公正証書遺言が無効とされた事例/東京高等裁判所平成22年7月15日判決:司法書士立会の下に作成された公正証書による遺言が認知症により遺言能力を欠き無効であるとされた事例)もあるようです。当時の遺言能力を証明するために医師の証言や当時の遺言者のカルテなどが必要となります。

錯誤による場合

遺言者が錯誤に基づいて遺言を残した場合は無効となります。錯誤とは人の認識したこととその認識の対象である客観的な事実が一致しないこと、をいいます。つまり勘違いで書かれた遺言は無効となります。また遺言者が第三者より詐欺、脅迫を受けた結果なされた遺言は取り消すことができます。

公序良俗違反

公序良俗に反した遺言は無効です。

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